恐怖感ゆえに、研修会への参加をためらう臨床心理士は全国に点在していると想像しています。
この一文を読んだだけでも、「その通りだ」、「わかる!」、「私の事だ」とお感じになっている事と思います。
臨床心理士関連の研修会に参加するのが怖い
恐怖に限らず、拒否反応を覚える方もあるのではないでしょうか。
この点はあとに触れますが、恐怖を感じるのも無理がないと思っています。
専門性を試される
研修会では、グループディスカッションやワークがふんだんに取り入れられることが多々あります。
初心者の場合の恐怖の感じ方と、ベテランの場合とでは異なるかもしれませんが、どの年代層も恐怖を感じるものです。
いつも大きな事を言っているのでボロを出せないベテラン
普段はベテランとして、指導役の立場の方もいらっしゃることでしょう。
では、どなたか前に出てロールプレイをお願いします。などと順番がまわってくるかもしれません。
ちょうど、会社で後輩からの突き上げにに怯える上司のようなポジションです。
現場から離れがちになっていた人
なんらかの事情で現場から離れていたり、従事日数が減っている人も多数いるはずです。
1988年からの臨床心理士合格者は4万人程度ですが、その全員がフルタイム勤務ではありません。
もしかしたら、週2、3日くらいの人が相当数なのかもしれません。
これは決して悪い事をしているのではありません。世の中には様々な就労状況の方がいるのですから、ましてや多様性などと言っている時代です。結婚後にフルタイムからパートタイマーへ変更した人は、臨床心理士に限らずある話なのです。
臨床心理士のための復帰支援はいまのところ目にしない
看護師の中で、資格は持っているけれども現場からはずっと離れているという話はよく聞きます。
そしてそういう方が復帰する場合には、看護師の関連団体が研修を行っているようなのです。
こういった支援体制は、臨床心理士にはまだあまり見かけません。独自研修を組んで復帰への道筋を立てることになります。
- 関連サイト:専業主婦からの社会復帰には怖さも伴う
そもそも研修に良い経験がない
対人援助職の仕事は、他の仕事と同様、もちろん責任の思い役目を持っています。
それもあって、指導にも相当な熱量が必要とされてきました。中には、その研修の中で志半ばに諦めた人もあるのかもしれません。諦めずとも、自分の至らなさを痛感し、自信をなくしているかもしれません。
このような心情の際に、様々な臨床家が混在する研修に出て行くことはかなりハードルが高い事です。危険と言っても良いでしょう。
研修会の開催方式を選んで参加する
非常に消極的に聞こえるかもしれませんが、やむを得ない事情がありますし、出ない方が良い研修も存在します。傷つきに出かけるわけではないのですから、自分自身の安全が保てる研修会を選んでも良いのです。
例えば、グループワークの有無はどうでしょう。
- 関連サイト:心理的安全性のある勉強会
拒否反応が生じる
特定の研修会に参加すると、拒否反応が生じたかのように、猛烈な疲弊を感じる事はないでしょうか。
これには前向きな意味を感じています。
自分に合う・合わない臨床スタイルが存在するという事を示唆していると見てはどうでしょうか。
まとめ
籠るのも手だと私は本当にそう思っています。
やたらめったらに外に出て行くことは無謀になることもあれば、傷を負う割には大した恵みも得られない結果になることもまたあります。
そのような場合、籠って自分自身のスタイルを固め直して、外に出る準備をするのはどうでしょうか。
- 関連:対人援助職のセルフケア ポイントにはなりませんが、個別勉強会を企画しています。