カウンセリングを本から学ぼうとすることは重要なことです。しかし、時に、本ばかり読んでいて、カウンセリングが行えるようになるものなのか、という意見も多数あります。
これは当然のことですが、本だけでは実際のカウンセリングのトレーニングには不十分となります。何冊の本を読んだとしても、やはり不十分と言われてしまうことでしょう。
カウンセリングを実際に行いながら本を読むことと、カウンセリング経験を持たないまま本を読むとでは、本から読み取ることもおそらく変わってきます。
カウンセリングでは感性が大事と言われている
よく言われることですが、カウンセラーは感性を磨くようにと指導を受けます。感性とはそもそもいかなるものか、ここからのスタートになるかもしれません。
感性が磨かれてくると、カウンセリングにおいてもピンと来るような体験につながるものです。どうしても知識だけでは、カウンセリングを行うには不十分なのです。
感性を磨くには一体どうしたら良いと言うのでしょう。
感性を磨く方法
カウンセラーとしても専門的なトレーニングにおけることを抜きにして考えると、色々自分で取り組んでみることに尽きるでしょうか。
よくカウンセラーは世間知らずであると言われるものです。少し外の様子を見ることももしかしたら何かの役には立つかもしれません。芝居やら、美術館に足を運ぶのも一つでしょう。
しかしながら、もしあまり経験が少ないということ自体も悪いものではありません。色々な経験をしておくことも一つですが、カウンセリングにおいては、経験が少ないことさえ意味を成すことが大いにあります。それに、全ての事象を経験できるものでもありません。
例えば、アルバイトに出掛けるのも、実はかなり勇気のいることです。このためらいや恐怖感を体験するだけでも意味を成すでしょう。
カウンセラーが自分自身の人生を歩むことにも大いなる意味があると思います。例えば、結婚や子育てを経験したそのカウンセラーは、また一味違った感性を身に着けるのではないでしょうか。
感性を磨くこととは、何もかも経験して極めていくようなことではないと思います。長い道のりですから、自分のスタイルで進めて行くことが肝要なのではないでしょうか。とにかくワークするという人もいます。
堅物の良さ、持ち味もある
いやいや、自分は本ばかり読んできたし、自他ともに認める堅物であるという方もいると思います。タイトルと矛盾するようですが、つまりは、それこそがその人の持ち味であり、磨かれるべき個性なのではないでしょうか。
ロールプレイをやるなら安全に行われるべき
また、ロールプレイといって、実際のカウンセリング場面を構成して、CL役、カウンセラー役を決めてカウンセリングの実際を体験する場合もあります。
この方法はかなり以前から行われています。ロールプレイのやり取りを記録して、あとからそれを振り返るというやり方があります。
最初の頃は、10分という時間でさえもロールプレイを行うことは困難でしょう。
実際のカウンセリングは50分程度です。
初心のころは、この10分間が非常に長く感じられ、エネルギーも消費されます。
ですが、本からは得られない体験となるものは残るでしょう。
もしロールプレイを行う場合は、ベテランの人の指導を受けながらが安全ではないかと思います。
だいたいは、お互いに傷つけ合ってその内に誰もやらなくなるのです。
まとめ
カウンセリングは確かに知識だけで成立するものではなく、いわば「ピンときた」という具合のものが必要とされる。
これをどう育むのか、それは個人個人異なる面が大きいと思います。つまりは、個性を使っていくことなのではないでしょうか。同じようなカウンセラーが量産されるのはいかがなものかと思っています。
関連サイト:その人らしく生きて行く個性化