唯一の国家資格である公認心理師は、名称独占の資格

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公認心理師という国家資格を持つ人たちが活動を開始しました。

2018年に第1回目の国家試験が実施され、その合格者で登録を完了した者が公認心理師を名乗って活動することができるようになります。

この資格の一つの特徴は「名称独占」であることです。

聞き慣れない言葉ですがどういうことなのでしょう。

公認心理師は名称独占

まず、公認心理師を作った目的ですが、それは国民の心の健康保持増進に寄与できる心理専門職の資格を定めて適正に業務を行えるようにするため、です。

公認心理師は国家資格であるため、公認心理師を名乗るものについては公認心理師法の定めることに則っていることが求められます。資格取得に関することや倫理など一定の基準が定められています。

もちろん心理専門職の資格には臨床心理士のように養成カリキュラムや倫理を定めている資格はありますが、国家資格としてはじめてのことです。

名称独占の場合は、「公認心理師」や「心理師」(〇〇心理師のような使い方も含む)の名称を用いることができません。

しかし、公認心理師以外の人でも心理支援を行うことは禁じられていません。これが名称独占資格の場合です。(公認心理師法の第44条を参照)

(業務独占資格の場合は、その資格を持った人しかその業務を行って行けないことになります。例えば医師しか行えない事があるように。)

現在既に存在する心理専門の資格はどうなるのか?

法律上の話では、名称の用い方が適正であればこれまでと変わりはありません。

例えば「臨床心理士」は「心理師」の文字が含まれていませんのでそのまま名称を使用できます。

もし「〇〇協会認定△△心理師」という資格があるならばそれは使用できず、名称を変更するなどの必要があるのだと思います。

公認心理師が作られる前からも心理専門職は活動していましたし、心理支援も行われてきました。そしてこれからも、公認心理師以外の方々の支援活動は続いてゆきます。

しかし国家資格が存在することは相当なインパクトを持つことは確かです。

例えばストレスチェックが義務化されていますが、その実施者に臨床心理士は含まれていません。専門性から考えれば臨床心理士はその実施者として適切と考えられますが、実施者として認められませんでした。

公認心理師については所定の研修を受ければ実施者に認められることになりました。臨床心理士はそのままです。

この変更は、官報の「労働安全衛生規則の一部を改正する省令を公布・施行しました」に記載されています。

その他、医療機関においては保険点数との関係で公認心理師が登場することになります。

名称独占でも、「公認心理師」を取得していないと基準を満たせない業務は増えていくことと思われます。

罰則について

もし公認心理師や心理師を含む名称を使用した場合には、罰則も法律の中に定められています。

違反した場合には30万円以下の罰金が科せられます。(公認心理師法第49条を参照)

現在色々な名称の心理専門職の活動がありますので、確かにユーザー側は混乱しやすい状況であると思います。

→公認心理師の詳細については、一般社団法人 日本心理研修センターをご参照下さい。

とにかく国家資格を持っているカウンセラーを選べばいい?

実は、そう単純ではなくなっている状況です。

このサイトでは臨床心理士を中心に構成していますが、概ね臨床心理士は公認心理師を取得しているはずです。(この数値は現在探しております)

すなわち、現状としては、下記のような資格取得状況です。

  • 臨床心理士、公認心理師を両方取得している。
  • 臨床心理士のみ取得
  • 公認心理師のみ取得
  • 臨床心理士を取得していたが更新を停止し、公認心理師取得のみの状態になった人
  • 元臨床心理士(5年ごとの更新制です)

その他にも、産業カウンセラー資格などありますが、複雑になりますので、順番にまとめています。

資格とカウンセラーの力量は必ずしも合致しない・・・が・・・

どの業界においても、資格の有無で判断できないことはたくさんあります。

心理士においても基本的には同様の原則です。

しかし、とにかく、名乗るだけなら、3分後からでも心理カウンセラーを名乗れるのです。

一方、臨床心理士は、少なくとも大学院での2年間を必要とします。そこで、専門的な臨床心理学的方法を大学教授や関連する識者などから学んでいます。

(※必ず、この話に触れると、逆も成り立つためので一応書きますが、大学院などで学んだがために何かを見失っているカウンセラーもいるのではないかと思うこともなくはありません。)

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